MCP9700 と NJM2732D で温度センサーモジュールをこさえてみた

氷点下の温度を計りたいこともありますよね、っということで

https://mbed.org/users/strysd/notebook/try_several_temperature_sensors/

で試した結果を元に、温度センサー MCP9700 とオペアンプ NJM2732D を組み合わせた回路をこさえてみました。回路図はこちら。

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MCP9700 で -40℃から 50℃までの温度を測る前提で作成しています。 その場合、MCP9700 の出力電圧は 100mV から 1000mV の範囲のはずです。その電圧を NJM2732D で 3.3 倍に増幅します。

  • 氷点下を計らずに 0℃から 50℃まで限定なら NJM2732D の代わりに安価な LM358 でも良いと思います。RailToRail 特性(フルスイング特性)は不要になるので。。。

理論上、330mV から 3300mV の範囲を出力する素子として使用できるはずです。

Celsius degreeVout from MCP9700Output of NJM2732D
501000mV3300mV
40900mV2970mV
30800mV2640mV
20700mV2310mV
10600mV1980mV
0500mV1650mV
-10400mV1320mV
-20300mV990mV
-30200mV660mV
-40100mV330mV

この出力電圧の範囲は 2970mV = 3300mV - 330mV で、ADC の 3686 段階 = 4096 * 0.9 に相当します。分解能は、約 0.025℃ = (50℃ - (-40℃) ) / 3686段階。 ADC の使用ビットは 11.8 bit = log 3686 / log 2 。 2つの抵抗を流れる電流は 50℃の場合が最大値で、 37μA = 3300mV/(62+27)kΩ

温度計算式 (degree Celsius) = X * 100.0 - 50 = ( ( X * 3300 mv / 増幅率 3.3 ) - 500 mv ) / 10 mv * 1 degree Celsius

  • なお、LM9700 を LM61CIZ に入れ替えると、-30℃から 40℃までの範囲を計測して 990mV から 3300mV を出力する回路になります。その場合の計算式は X * 100.0 - 60 (0℃のときに LM61CIZ の出力が 600mV、NMJ2732D の出力が 1980mV になる)

こちらがこさえた実物の写真。

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そして裏側のハンダ面の様子。

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周辺温度をとらえるには、温度センサーのリード線を長くするほうがいいらしいと聞いて、MCP9700 のハンダ付け箇所は、できるだけ面積の広いパターン部分を選びました。

中央やや上寄りに緑色で囲った部分が MCP9700 をハンダ付けした部分になります。電源パターンとして普通は使うパターンを利用して、 MCP9700 の Vcc と Vout をハンダ付けしています。ちなみにしっかりと温度が MCP9700 の内部まで伝わるように、リード線をパターンにぺたっとくっつくように折り曲げてからハンダ付けしています。

GND だけは広いパターンがなかったので、左隣3つ分のパターンを利用しています。 GND のリード線が緑色の枠を超えて左側に越境しています。

部屋に外からの空気を取り入れてわざと温度変化を起こして計ってみたようす。比較的安定して計れているようです

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会社のオフィスでも計って見ました。空調により、一定の幅の間で温度変化している様子がきれいに観測できています。 きばん本舗さんで販売している、mbed BaseBoard イーサネット ( http://kibanhonpo.shop-pro.jp/?pid=56484525 ) を使用しています。 - コンセントにさしている白い箱みたいなものは、USB 電源です。5V 500mA 出力の日本トラストテクノロジー社 USB-ACチャージャー micro を使用しています。参考までに Amazon のリンク。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000VZTWFI/

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このモジュール部分の部品表です。合計で 500円程度の予算です。

部品名個数単価メーカーなどその他
基板 IC-301-701約 90TAKASU秋葉原ラジオセンター2階の山長通商さんに、ROHS 非対応の紙フェノール・タイプがあるのを見つけて使いました。私は輸出しないし(笑。ROHS 対応品だとこれより少し高めになるかもしれません
ピンヘッダ1--ピンヘッダ3本のものが1つ必要です。40ピンのピンヘッダが一ピンあたりの単価が安い(約40円)ようなので、それを買ってきてニッパで切り離して使うと良いでしょう
丸ピンICソケット(8p)115-オペアンプが壊れたときに交換しやすいように
オペアンプ NJM2732D1100新日本無線入出力フルスイング特性です。 抵抗値を高めにしてあるので、NJU7032D でも代用可。 測定範囲が 0℃以上限定ならさらに安価な LM358 でも代用可
温度センサ MCP97001-MICROCHIP秋月電子で8個入り200円。1台だけ作ると7個余るのでコスト高。たくさん作るなら便利
金属皮膜抵抗 62KΩ 1/4W 誤差 1%110-誤差は重要です。オペアンプ用
金属皮膜抵抗 27KΩ 1/4W 誤差 1%110-同上
積層セラミックコンデンサー 0.1μF220-ほかにも電子工作するなら、秋月電子で買える一袋10個入りのものを100円で購入
はんだ---少々
ジャンパー6--抵抗のリード線の一部を切り取ったもの2本と、ブレッドボード実験用のジャンパーセットから4本流用


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